マックスランゲアタック/Max Lange Attackの解説と評価

白e4
オススメ度遭遇率
4.04.5

メリット
  • さまざまなオープニングから合流するので学習のコスパがよい
  • 頻繁に遭遇する
  • キャスリングの権利を奪える場合が多い
デメリット
  • 変化がちょっと長くて多い
  • 派手なサクリファイスは少なくどちらかというと地味で堅実

マックスランゲアタックの特徴と展開の主な変化

マックスランゲアタックは、スコッチギャンビット・ジオコピアノツーナイトディフェンス・センターゲームなどさまざまな定跡から手順前後で合流します。

初心者が使用する定番のオープニングから派生するシーンも多いので、特にイタリアンゲームを好んで使う方はぜひ覚えておきたい定跡です。

パターン1:Ne4 – ナイトトラップ

5手目 e5 で白がナイトを攻撃するマックスランゲアタックに対して、黒が Ne4 とナイトを逃がした場合は最も簡単に駒得できます。

Re1 とルークを動かすだけで簡単にナイトがトラップできるからです。

万が一、黒が強引にナイトを守るためにd5とポーンを進めても、アンパッサンするとナイトがピンされるので問題ありません。

ビショップで守っても上の通りナイトで攻撃することで駒得は確定します。

相手もこのラインを選択することはないと思いますが、知識としては必ず覚えておきましょう。

パターン2:Ng4 – ポーン構造を荒らす

5手目 e5 で白がナイトを攻撃するマックスランゲアタックに対して、黒が Ng4 とナイトを逃がしながらポーンを攻撃する場合、ピースアップは難しいので相手の陣地を荒らしましょう。

具体的には上の流れの通り、まずは Bf4 でポーンを支えます。次にほとんどの場合黒番はキャスリングを優先するので、 h3 を突いてナイトを追い払います。

このとき、ナイトの逃げ先は h6 しかありません。ビショップとナイトを交換すれば、駒の点数自体は同じですがキャスリング後のポーン構造を崩せるのでキングの守りを弱められます。

また、 h6 の黒ポーンはどの駒にも守られておらず弱点となっているので、ポーン得も狙えそうです。

黒の最善手「d4」への対応を紹介

一般的に、マックスランゲアタックに対する黒の最善手は上のようにd4で白のビショップを攻撃することだと言われています。

以降、互いにナイトとビショップをポーンで取り、黒がルークで白のポーンをブロック。白がビショップでクイーンを攻撃するという展開が定番です。

ここからの応手と流れを簡単に紹介します。

ビショップ交換で黒のキャスリングの権利を奪う

黒の最善手は、Be7とビショップを引いてクイーンを守ること。

その後ビショップを交換しますが、このとき黒はキングで白ビショップを取り返さないとd4ポーンが落ちてしまうので、キングを動かすしかありません。

結果的に、黒に残されていたクイーンサイドキャスリングの権利も奪うことができます。

黒にとっては、「最善手を選んでもキャスリングができなくなる」というのが辛いところです。

黒の悪手Qd5を咎めよう

上のように黒は最善手を指してもキャスリングができなくなりますが、逆に言うと「キャスリングの権利を守りたい」という心理が働いて悪手を指してしまう場合も非常に多いです。

この状況で黒で最も選ばれている応手は「Qd5」です。d4のポーンを守る・ビショップの攻撃から逃げる・ビショップを攻撃するの3つを満たせる選択肢だからだと思いますが、残念ながらこれは悪手です。

まず典型的なトラップがコチラ。

白ルークによるチェックに対して黒はまだ展開できていなかったビショップで合駒します。続いて白はナイトでd5クイーンを攻撃。もし黒がうっかりしていてナイトに飛びつくと、ルークによるピンを利用してクイーンを取りほぼ勝ちです。

ただし、これはあくまでも黒のブランダー。黒が引っかからなかった場合も見ていきましょう。

黒クイーンの逃げ先はかなりシビアです。

白の13手目Nh4に対して、クイーンがd5・e5・g4へ逃げてしまうとフォークまたはディスカバードアタックでクイーンを取ることができます。

上のボードで棋譜部分をクリックorタップするとクイーンを取れる3パターン全てをチェックできるので流れをよく覚えておきましょう。

白のNc3に対して黒がQd7またはQd6と逃げた場合は、Ne4が無難。どちらの場合でもc5のビショップに攻撃しつつ、f6でキング・クイーンをフォークしてほぼ勝ちでしょう。

マックスランゲアタックに関連する定跡

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