ロリアタック/Lolli Attackの解説と評価

白e4
オススメ度遭遇率
4.03.0

メリット
  • リスクが少なく堅実に優位な盤面を築ける
  • 上手くハマれば一気にメイト or 大幅な駒得
  • 攻撃パターンがフライドリバーアタックに似ているので覚えるのが簡単
デメリット
  • 黒の悪手「5.Nxd5」が前提なので少しレートが上がると仕掛けられない
  • 大胆なサクリファイスによる爽快感は薄い

狙いと展開の主な流れ

狙い
  • ナイトをサクリファイスする前に黒マスビショップの利きを伸ばすこと
  • eファイルを開き、キャスリング後にルークでeファイルを支配すること

ロリアタックは、イタリアンゲームのツーナイトディフェンスから発生する白の定番の攻撃。

フライドリバーアタックと同じく黒の悪手「5.Nxd5」を咎める応手ですが、フライドリバーアタックと比較すると一旦準備の手を挟むことでサクリファイスのリスクが大幅に軽減されています。

個人的にはフライドリバーアタックよりもロリアタックの方がおすすめです。

ここからは、ロリアタックのよくある流れについて何パターンか解説します。

パターン1:黒Nxd4でポーンを取られた場合

白のポーンを黒がナイトでテイクした場合は非常に単純で、c3と突くだけと高確率でピースアップできます。

c3がd4ナイトを攻撃しているのはもちろん、d5のナイトもビショップとクイーンによって2回攻撃されているので、上手く逃げる方法がありません。

ナイトがe6に逃げたパターンが↑の通り。

黒b5でビショップを攻撃するパターンもよく見かけます。が、このパターンでも白はピースアップできます。

流れは↑の通りで、g2ポーンが落ちるので一瞬焦るかもしれませんが、Qf3でクイーンの交換を強制できるので問題ありません。

黒にとっては白のキングサイドを荒らすのが精いっぱいの変化なので、自分が黒番なら6手目Nxd4は指すべきではないでしょう。

パターン2:黒exd4でポーンを取られた場合

d4ポーンをポーンでテイクされた場合は、ひとまずキャスリングしてキングの安全確保&黒の出方を伺いましょう。

このあとの黒の応手はいくつか考えられますが、よくあるのが↑のようにビショップをe7に展開する手です。

これは、

  1. ルークによるチェックを防ぐ
  2. クイーンとラインを重ねて白のナイトを攻撃する準備

という2つの狙いを持つパッと見ではよい手ですが、残念ながらフライドリバーアタックと同様にナイトをサクリファイスする手が成立します。

注目すべきは、フライドリバーアタックでは最善だった黒のke6でナイトを守る手が通用しない点。詳しくは上の流れを見てもらえばわかると思いますが、白番はガンガン駒を捨てても十分にチェックメイトまで持っていけます。

もちろん、黒番は最善手を指すことでチェックメイトを回避できます。しかし、発端となる悪手「5.Nxd5」を指してしまう初心者がロリアタックに対する最善を見つけ続けることは極めて難しく、白が雑にキングを狙い続けるだけで勝ててしまう場合も珍しくありません。

パターン3:ポーンを無視される場合

黒が白によって差し出されたポーンを無視する場合、パターン2のようにビショップをe7に展開する手が非常に多く見られます。ほとんどの場合、黒の狙いもパターン2と同様です。

ということはつまり、パターン2と同じくフライドリバーアタックが成立します。

ナイトをf7に突っ込み、取りに来た黒キングをクイーンでチェックします。このとき、黒キングの最善は恐らくKe8。当然d5のナイトが取れるので、さっさとテイクしてしまいましょう。

一応、こちらもナイトをサクリファイスしているのでピースの数に差はありません。ただし、相手のキャスリングの権利を奪っていることと中央の黒ポーンが孤立している点から、有利に対局を進められるはずです。

ロリアタックに関連する定跡

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