オススメ度 | 遭遇率 |
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- 黒ビショップの強力な利きを逸らすことができる
- テンポを得ながらポーンを展開して中央をコントロールできる
- 黒キングサイドのナイトの展開を遅らせてキャスリングを阻止できる
- lichessの白勝率が結構良い
- シンプルにポーンを捨てるので立ち回りをミスするとポーン差で押し切られる
- 大胆なサクリファイスによる爽快感は薄い
- 一気にメイトまで持っていけるような攻撃力はなく割と堅実的
狙いと展開の主な流れ
- 黒ビショップを攻撃してテンポを稼ぎながらジワジワとセンターを支配すること
エヴァンス・ギャンビットは、白番のイタリアンゲームに対して黒がジオコピアノを選択した場合に有力なギャンビットです。
4手目でポーンを犠牲にすることで素早く攻撃の準備を整えて相手の防御を崩し、キングサイドにプレッシャーをかけることを狙っています。相手の駒の動きを制限しながら、主導権を握ることが鍵となります。
ちなみに、lichessのデータベースをチェックするとジオコピアノに対する勝率が53%と最も高いのでぜひ覚えておきたい定跡です。
マクドネルディフェンス/McDonnell Defense
ポーンをテイクした黒ビショップに対してc3と攻撃し、Bc5と元の位置に戻るのがマクドネルディフェンスです。
上記の流れのようにすぐにd4を突きたくなる局面ではありますが、早々にd4を突いてしまうとBb4チェックからサクサクと駒交換が進んでしまい、ポーンを捨ててまで攻めている白側としてはあまり旨味がありません。
そこで、d4を突く前に一旦キャスリングで手待ちし、相手の出方を伺うのも有効です。特に、オープニングの知識が曖昧な初心者帯だと黒番の自然な悪手を引き出しやすい傾向にあります。
7手目d4の前にキャスリングを挟んだ場合の流れの一例がコチラ。黒番がd6でe5ポーンを支えると、大抵この形になるかと思います。
白番の明らかな駒得とはなりませんが、相手のナイトが展開されておらずキャスリングが遅れていることを利用し、ルークをeファイルに配置してe4ポーンを進めるだけでセンターを簡単に支配できるでしょう。
白がeポーン行進に対して黒のdポーンがテイクあるいは突き越してきた場合、白番はビショップをa3に配置してキャスリングを阻止できるのも覚えてくと役立つかと思います。
白のキャスリングに対して黒番がナイトを展開してきたパターンがコチラ。白のe4ポーンは一見すると浮いているので良い手に見えますが、残念ながら黒の悪手だとされています。
具体的な流れは上の通りで、Qe2で黒ナイトがほぼトラップされてしまいます。
ストーンウェア・バリエーション/Stone-Ware Variation
ストーンウェア・バリエーションまたはストーンウェア・ディフェンスは、白のc3突きに対してBd6とeポーンを支える位置に戻る定跡です。
一見すると手堅い応手に見えますが、7.dxe5に対して黒番がビショップ・ナイトどちらで取り返しても最終的に白のf4突きからのポーンフォークが決まるので、白番が必ず駒得できます。
上記は黒のビショップが白のポーンをテイクした例ですが、ナイトがテイクした場合はもっとあっさりとフォークが決まるので下に貼っておきます。
ハンガリアンディフェンス/ Hungarian Defense
ハンガリアンディフェンスは白のc3突きに対してBe7まで引く黒にとって手堅く見えるオープニングですが、やはり白が有利な盤面へと持ち込めます。
黒は自身のビショップによってクイーンが窮屈になっていることを利用して、ビショップとクイーンを重ねてf7を強襲しキャスリングの権利を奪えます。
ちなみに、黒がナイトをh6に展開してf7を守ったとしても白の黒マスビショップでh6のナイトをテイクしてしまえば問題ありませんし、むしろその方が白にとって有利な局面になります(下を参照)。
ラスカーディフェンス/Lasker Defense(黒の最善)
白番が仕掛けたエヴァンス・ギャンビットに対して黒の最も安全な応手が、このラスカーディフェンスです。
ビショップの斜線をキープしたまま下がることにより、白がd4を突くとc3のポーンがピンされてしまいます。
ポーンを捨てて攻めていたはずの白番は最強の攻め駒であるクイーンを交換する流れになってしまうので戦局が紛れやすく、2つの孤立ポーンまで抱えてしまいます。
白番が不利とまでは言えないものの優勢を維持して戦うことは難しいでしょう。逆に言うと、黒番でエヴァンス・ギャンビットに遭遇したときはラスカーディフェンスで対処するのが無難です。
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