オススメ度 | 遭遇率 |
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- ナイトのサクリファイスが気持ちいい
- 上手くハマれば一気にメイト or 大幅な駒得
- 初心者帯では必ず出会うので駒得やピン・サクリファイスなどタクティクスに慣れるのに最適
- 対策を知られていると劣勢になる
- 定番の攻撃なので少しレートが上がるだけで全く通用しなくなる
- 一種のトラップ・ハメ手に近く、フライドリバーで勝つ快感が癖になると上達の妨げになりかねない
狙いと展開の主な流れ
- 序盤の弱点であるf7をビショップとナイトで強引に攻める
- 初心者の場合、ほとんどはルークとクイーンのフォークが目的
- ある程度研究している相手であれば、黒キングの逃げ先にあわせて駒得やメイトを狙ってくる
フライドリバーアタックは、多くの場合イタリアンゲームから派生します。チェスの対人戦を始めた方に訪れる最初の壁です。訳も分からないままクイーンを取られたりキングが追い込まれたりして驚くと同時に、その鮮やかな流れに魅了されることでしょう。
しかし、鮮やかな一方で初心者向けに「指すべきではない定石」とも言われます。理由はデメリットでも挙げた通り、フライドリバーアタックで勝つことが癖になると気持ちよさから中毒になってしまい、フライドリバー以外で勝てなくなってしまうからです。
フライドリバーアタックを勉強する真の意味は、フライドリバーアタックで勝つことではなく負けなくなること。白番の4.Ng5を見たときに冷静に対処できるようになると実力が付いた証です。
黒Kg8:即チェックメイトになる流れ
冒頭で紹介したパターン。
黒キングがナイトを取り白クイーンでチェックされたとき、Kg8と逃げてしまうと上の流れで強制的にチェックメイトとなってしまいます。
白番でフライドリバーアタックを使う方はメイトを逃さないため、黒番でフライドリバーアタックを受ける方は即詰みを避けるために必ず知っておくべき流れです。
黒Ke8:ルークを落とす流れ
7手目に黒Ke8と逃げた場合は、黒ルークを取るチャンスです。
白がビショップでナイトをテイクすると、黒は次のQf7のメイトスレットを受けなければなりません。受け方としてQe7を選んでしまうと、上の手順で黒ルークをかすめ取れます。
なお、黒はQe7ではなくQf6で受けるとクイーンの横利きでc6のナイトを守れるのでルークを取られることはありません。
フライドリバーアタックの対策
フライドリバーアタックは強力な攻撃ですが、対処は難しくありません。
そもそもフライドリバーアタックが成立する条件は、上の状況で白のポーンをナイトでテイクしてしまうことです。
これは初心者にありがちな悪手であり、この5手目の対応を覚えるだけでフライドリバーアタックは完全に対策できます。
では黒の5手目は何を指すべきか?以下の3つが主な候補です。
対策1:ポレリオ・ディフェンス/Polerio Defense
Na5で白ビショップを追い払う最もスタンダードな応手だと思います。
白の強力なビショップはd3やe2へと下がるしかありません。
対策2:ウルベスタ・バリエーション
ウルベスタ変化と呼ばれる流れ。
b5を白ビショップに取らせることで白ビショップとg2ポーンが同時に浮くので、Qxd5で両方を睨みます。
大抵の場合、キャスリング権利を放棄したくないという心理からビショップでナイトをテイクしてくるので、クイーンでビショップを取り返すことで相手の強力なビショップを取り除けます。
対策3:フリッツ・バリエーション
個人的に好きなのがフリッツ・バリエーション。相手のフライドリバーアタックに対して、こちらもハメ手を仕掛けて一気にチェックメイトまで持っていきましょう。
フリッツバリエーションでは、「2つの狙いを持つこと」の大切さが学べます。
7手目の黒のQc6は、一見すると相手のビショップを攻撃しているように見えます。しかし、本当の狙いは浮いているg2ポーンを取りに行くこと。しかも、白の目の前にはルークのタダ取りという餌までぶら下がっているので、安易にフライドリバーアタックを狙ってくる初心者はだいたい引っ掛かります。
ちなみに、9手目の黒Qe4チェックに対して白がビショップではなくクイーンで合駒すると白はチェックメイトを免れます。それでもクイーンが落ちてしまうので黒の圧倒的優勢に変わりはありませんが。
フライドリバーアタックに関連する定跡
フライドリバーアタックに関連する定石やタクティカルな攻撃、トラップなどをまとめています。
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